純三郎の「結婚式のスピーチ」
「ミス日本橋コンテスト」の賞品で鍋島家の家族と来た丘の上の公園で、
勇二郎はなつみに航空券を示した。
2つの内、どちらかを選び、もし、勇二郎の航空券なら今すぐ自分と結婚する。
純三郎の航空券なら、このまま兄弟と暮らし続ける。
そして、なつみは航空券をひいた。
(暗転)
ある朝、純三郎は光四郎にたたき起こされた。
「結婚式に遅れるよ!」
純三郎は、披露宴に間に合ったが、
それは、兄勇二郎となつみの結婚披露宴だった。
そして、純三郎は家族の代表としてスピーチに立った。
あ〜、、、(えっと)
ご来賓のみなさま、
本日は兄たちの結婚披露宴に御出席いただきましてありがとうございます。
兄の裕次郎は、亡くなった母にかわって、
僕たち一家の面倒を見たり、キッチンマカロニを守ってくれて。
新婦の、なつみさんもまた、僕たちの店を手伝い、僕たちを支えてくれて。
僕は、(ぼくは)、この二人が一緒になってくれるなんて、
こんなに嬉しいことはありません。
生きるのに辛い事なんて、、、誰にも、、、たくさんあるんだよ。
でも、、、それでも人は、美味しいものを食べるだけで、少しだけ幸せになれるんだよ。
それが、ほんの少しの幸せでも、、、
ぼくは、、ぼくは、
僕みたいなヤツでも、誰かにそういう幸せを贈れているんだって、
そういうことをなつみさんに教えてもらいました。
だから今、、おれは幸せで、、、
おれ、、、おれ、、、
やっぱりこんなの耐えられないよ!
俺はこの結婚には反対だ〜!
(純三郎くん)
なんだよ、やっぱ俺はなつみさんが好きなんだよ!
(なんて事言っているんですか、純さん)
好きなんだよ、しょうがねえだろ。
(純、おまえあきらめろって!)
あきらめるわけないじゃん。同じ家に住んでいるのに。
ずっと、、ずっと、好きだったのに、、、
(純三郎くん)[「ミセスロビンソン」の曲がオーバーラップ]
好きだ! なつみ! 好きなんだよ。 すきなんだよ〜。
(純三郎くん、おはよう。みんな仕込みをしてるよ、、、
珍しいね。純三郎君が寝坊してるなんて)
え〜よかぁった〜
なんだよ、ゆめかよ〜、、、よかった〜、、、
なつみは、結局丸く収まるように、純三郎の航空券を引いたようです。
フジテレビ「ランチの女王」(2002年7月1日〜)より
主演:竹内結子(麦田なつみ)、江口洋介(鍋島勇二郎)、妻夫木聡(鍋島純三郎)
堤真一(鍋島健一郎)、山下智久(鍋島光四郎)、山田孝之(牛島ミノル)
伊東美咲(塩見トマト)、森田剛(矢崎修史)、若林豪(鍋島権造)
【 ラストシーン 】
『 涙とともに食べた人でなければ、
人生の味はわからない 』
ゲーテ